天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

速読実践12☆翻訳本と国内ビジネス書では文字数が全く違った【脳を鍛えるには運動しかない】

本をよむ人のあいだでたまに話しがでるのは翻訳本は読むのに時間がかかる、ということです。さくさく読めない理由としては、外国語をいったん日本語に変換したものだから、文章に不自然な部分が出てきて、読みにくいということがあるのかもしれません。しかし、今回の速読実践にて気がついたのは、それ以前に文字数が全く違うんだなぁということです。

といいますのは昨日速読しましたこの本。

lifeofdij.hatenablog.com

一冊全体で約30000文字でした。そして今回久しぶりに再読したこの本。

脳を鍛えるには運動しかない!  最新科学でわかった脳細胞の増やし方

脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方

  • 作者: ジョン J.レイティ,エリックヘイガーマン,John J. Ratey,Eric Hagerman,野中香方子
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2009/03/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 序文と第1章だけでも約24000文字ありました。(ちなみに第10章まであります)

別に文字がたくさんあるから、または少ないから本としての価値があるない、良い悪いという意味ではないのですが、実際に文字数を計測してみると、同じ一冊といえどもヴォリュームが全く違うんだなぁということに気が付きました。つまり今私が行っている速読実践のためのデータどりにおいては、冊数というものはあまりあてにはならない。やはり文字数ベースで計測する必要があるなぁと。

 で、今のところ序文と第1章しか読んでいませんが、とりあえずのデータ・・・

 28分 約638文字(ページあたり)✕約38ページ=24244文字 1分間あたり1102文字。

理解度6(10点満点)響き度7(10点満点)本の難易度4(10点満点)。

読みながらメモをとりつつ句読点読み。テンポは120。

 

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で、内容のほうですが、今回再読して気がついたのは、先日読んだ【データの見えざる手】との共通点です。

lifeofdij.hatenablog.com

データの見えざる手では、人にはそれぞれの活動予算というものがあり、その予算の中でいか行動の優先順位をつけていくことが大事ということでしたが、この【脳を鍛えるには運動しかない】の第1章にも考え方が重なる部分が書いてありました。

この本はタイトルのとおり、運動すれば脳に良い影響があるという内容です。つまり、皆さんもっと運動しましよう、なぜなら体を動かせば頭もよくなりますよ、という内容です。
ところが、世の中には(過去の私も含め)運動嫌いが多い。
なぜか?それは学校の体育の授業でやりたくない運動をやらされたから。
その結果、運動によって掘り起こされるはずの人間の知力が宝の持ち腐れになっている。
つまり世の中で発揮されるはずの知力が活かしきれていない。

で、第1章ではその悪い流れを断ち切るためのある試みが紹介されています。
アメリカの学校の体育の話。その学校では1時限がはじまるまえに体を動かす。それも最大心拍数の8割に達するくらいの激しい運動。すると、その後にはじまる授業での生徒たちの集中力が上がり、実際に成績も向上したということ。
そして体育の授業の評価基準も変えてみた。100メートル走の記録の優劣や球技での活躍度といった生徒間での相対評価ではなく、ひとりひとりの生徒に心拍計をもたせ、どれだけの時間、目標心拍数に達したか?という個人を軸とした絶対評価ににしてみた、ということ。
その結果、生徒たちが学び感じたことは何か?体を動かす、つまり運動するのは楽しいということ。
で、楽しいんだからどんどん運動するようになる。その結果、この後この本でエビデンスが紹介されていく「脳を鍛えると頭が良くなる」が現実のものとなり、その学校の生徒たちは健康に関する知識とともに成績向上という成果も得ることになったという話。

つまり【データの見えざる手】では活動予算という言葉が使われていましたが、この【脳を鍛えるには運動しかない】においては、心拍計を使うことによって運動予算みたいなものを把握して、その予算をいかに上手く使うか?ということであってそのあたりにこの2冊の共通点を感じたのです。

で、読んでいて思ったのはテクノロジーをいかに個人の幸福度向上のために役立てられるか?ということです。

脳を鍛えるのアメリカの学校の事例でも安価な心拍計を入手した、というのがキーポイントになってます。

ウェラブル端末ですよね。つまり今までは見えなかった体のデータを見える化したことによって、そのデータを元に、より最適な戦略をたてることが可能になったということ。これは【データの見えざる手】のウェラブルセンサも同様です。

で、かなりアナログな計測ですが、冒頭で書いた速読における評価基準を本の冊数ではなくて、文字数ベースで考える、というのも同じことなのだろうと思いますし、その他のあらゆる状況においても、まずはデータの見える化こそが最適な戦略を作るためのベースになるのだろうなぁと思ったりします。

そのようなことを考えていたら思い出したのがこの本。今度再読してみようと思います。