天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

雪の降る日曜日は贅沢なつまみ読みで楽しもう。

f:id:lifeofdij:20180218132907j:plain意味もなく冷蔵庫を開けて、行儀悪くつまみ食いをすると、いつもの食べ物が、より旨く感じることってないですか?

 同じように本も、さぁ読むぞ!と気合を入れて読むのも楽しいですが、たまには、本棚の中から、こっちの本を少し、あっちの本を少し・・・みたいな読み方も楽しいです。いうならばつまみ食いならぬ、つまみ読みというところでしょうか。特に・・・。

 今日みたいな出かける予定のない雪の降る日なんて、そんなつまみ読みを楽しむのに最適です。

で、自分的にはこのつまみ読みをより楽しむにあたっての儀式のようなものがあります。といってもそんなに大げさなものではないんですけどね。

今日はつまみ読み日和だな、と思ったらまず部屋の片付けをします。いったん部屋の中をキレイな状態にする。ある程度片付いたら、台所へいって、小さなお盆に、軽くつまめるものと、コーヒーまたはお酒を乗せて部屋の中央に運ぶ。

そして本棚を眺めて、手当たり次第に本をパラパラとめくる。面白そうだな、と思ったらいったん読むのはストップして、次の本を探す。おなじようにに3〜4冊くらいを選ぶ。できれば短編とかエッセイとか短めのほうが良いですね。要はさくっとつまめる感じのヴォリュームのもの。

で、さきほど用意したお盆の周りにセレクトしたその本をバサッと投げ出す。そして順不同に適当に読み始める。二、三ページ読んで、他の本に持ち替えたり、しばらく読み続けたりするのも適当な感じで。用意した本の断片を、ちょっとつまみ読みして、また違う本をちょっとつまんでみたり。

お酒を飲んでる時に品数の多いアラカルトみたいなものをちょこちょこつまみながら飲むときの感じに似ていますね。で、眠くなったら、そのままごろりと。

だけど、今回選んだ本は面白いものが多くて珍しく眠くなりませんでした。画像の4冊。食べ物に例えたとすると名高い銘品高級珍味ばかりだったからですね、おそらく。

【人でなしの恋】を読むと、読者をひっぱり続けて、ページをめくらせる乱歩の文章の引きのうまさに改めて驚いたり、【刺青】の危ない世界。あの女の人、これからどういう人生送ったんだろう?と考えたり【警視庁草紙】を読んで、戊辰戦争で負けた側の武士たちのその後をちょっと想像したり。そして【小僧の神様】のなかに収録されている【城の崎にて】を読んで、あぁ、こんなに完璧な文章ってないよななぁと舌鼓を打ったり。で、またぱらぱらとループしながら、すこしずつ、つまみ読みしていると大変いい気分です。で、読むのをいったんとめてこれを書いていたら眠くなってきました。おやすみさない。