水道橋博士ほど天才っていわれる人と付き合いの多い人はいなそうだな?と思わせるエッセイ集
先日【響き】というマンガで天才について考えましたが、この水道橋博士の本はリアルな天才と(そこそこ才能のある)博士の交流をエッセイ風にまとめた一冊です。
水道橋博士はビートたけしに憧れて芸人になった人間ですね。で、彼の言動や活動を知っている人ならご存知かと思いますが、他のたけし軍団の面々とはあきらかに異質な存在ですよね。書く文章も面白いんですよ。
で、この本はもちろんビートたけしさんのことも書いていますが、分量的にはそれほど多くない。各章ごとに14.5人くらいの博士が出会った天才、奇人、変人ついて書いてますね。
苫米地さん、堀江さん、東国原さん、松本人志さん、などなど。各章それぞれ面白いですが、特筆すべきは甲本ヒロトさんに関する文章でしょうかね。実はヒロトと博士は中学の同級生なんですね。
で、大人になったふたりは対談をきっかけに親しくなっていくわけですが、まぁご存知の通り、ヒロトはまさに「天才」ですし博士は自分自身が「天才」ではないと自覚している人間。
だけど、他人の「天才」を感知できる才能は持っている、という人間。そんな博士の鬱屈したというと失礼ですが行間に隠れている心情を想像もしちゃいますね。
それから面白いのはあとがきで登場する最後の人物が児玉清さんなんですね。児玉清さんといえば【負けるのは美しく】という素晴らしい本を書いた方でもありますが、本書の最後に児玉さんを登場させるあたり、博士がこの本で言いたかったことはなんなんだろうね?ということも考えしまいますね。はっきりいってかなり素晴らしい一冊です。
2017/08/05