天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

夢にも鮮度と賞味期限があるのかもという話

 

常識にとらわれない100の講義 (だいわ文庫)

常識にとらわれない100の講義 (だいわ文庫)

 

 こんな言葉が書かれていた。

なんとなく、そうなれば良いな、という程度のことを「夢」とか「希望」という人も沢山いる。たとえば、小説を読んでその主人公が恋人に出会って幸せそうだと、自分もそんなふうになれたら良いな、と思う。これは「羨ましい」と思うことであって、それ自体は健全だし、人を羨むことは、目標を見つけたり、自分の人生を設計する基本的な材料となる。p28

 

 羨ましいとか、良いなあと思う、いわゆる妄想って、夢の材料という見方も出来るんですね。発想が面白いなあ、やっぱり森さんは天才。という事で思いついた事をつらつらと。

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薬指の長ーーーい男はモテる!という話を広めた面白本

 

シンメトリーな男 (文春文庫)

シンメトリーな男 (文春文庫)

 

 

やっぱり何だかんだいって見た目というのはモテるモテない問題に大きく影響するわけでそのモテるモテないということも良きにつけ悪しきにつけその人の性格や行動に影響してきますねー、どーしても。で今日紹介するのはそのモテるモテないのメカニズムを
一般向けにわかりやすく書いてある一冊。この手の本としてもう代表的な本ですね。
読んだことのある方も多いかもしれません。

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スナフキンが日本人に愛された理由を考察する内田理論が面白すぎる

 

街場のマンガ論 (小学館文庫)

街場のマンガ論 (小学館文庫)

 

 内田先生がマンガに関連した過去の文章をまとめた一冊。結構古いものが多くて、内田先生にしてはキレがいまいち。だけどいくつか面白い話がありました。そのうちのひとつを紹介いたします。

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ビーチ・ボーイズと村上春樹

 

意味がなければスイングはない (文春文庫)

意味がなければスイングはない (文春文庫)

 

 村上春樹の文章がいちばん染みるのは「悲劇」を描いているときだと思う。お涙ちょうだい的な「悲劇」ではない。どうしようもない矛盾やミスマッチ感を抱え込んだ人の悲しみという「悲劇」だ。

そんな「悲劇」を書くときの春樹さんの文章には奇妙なほどの透明感がある。その文章は真冬の小川の水のように透明でキラキラしているけれど、触ってみると意外にそれほど冷たくはない。熱くはないけれど、人肌くらいの温かみはある。今日はそんな特徴がよく出ている一冊を紹介したい。

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森博嗣という天才ならいろいろな問題についてこう考えたりするのか?と知ることができる一冊

 

人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)

人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか (新潮新書)

 

 昨日紹介した戦略読書日記の中に柳井さんの戦略を分析しているところがありました。それによると常に具体的思考と抽象的思考の間を高速で行き来して、最適な経営判断を得る戦略だという楠木さんの分析でした。

これは文章を書くときにもとても有効な考え方で抽象と具体を交互に行き来すると、立体的に伝わりやすい文章になると聞いたことがあります。ということで今回はそのうちのひとつ抽象的思考の力をどう高めればよいのか?という事を書いた本を紹介いたします。

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大人と子どもの違いを解説する内田樹さんの理屈が会心の一撃すぎる

 

邪悪なものの鎮め方 (文春文庫)

邪悪なものの鎮め方 (文春文庫)

 

 この本を読んで100回くらい『うわー!そーゆー事なのかー!だよな!だよな!』と膝を叩きました。今日はその内のひとつの考え方をご紹介します。

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あの2001年宇宙への旅さえ楽しめるようになる映画解説の決定版的な一冊

 

 映画の絶対的な名作ってありますよね。例えば「ベン・ハー」や「風と共に去りぬ」とか。このあたりって誰がいつ観ても面白いし、いろいろと考えさせてくれる映画ですね。

ところが同じように名作として語り継がれている「2001年宇宙の旅」とか「地獄の黙示録」や「タクシードライバー」あたりになるとどうでしょうか?難しいというか意味不明な部分が多くて、またはどうしてそんなに人の負の側面ばかり強調するのか?みたいなところもあり、正直言って「これって本当に名作と言えるのか?はっきり言って面白くないんじゃないのか?」と感じてしまう人も多いのではないでしょうか?

そんなふうに思いつつも実は自分の「映画の見方」がイマイチなのではないのか?実は上記のような意味不明な作品の凄さを知る秘密があるのではないのか?と思っている人にはこの本がオススメです。

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