【書評】さようなら、オレンジ
この小説は良いです。 主人公のサリマの生き方が眩しい。といっても、歯の浮くようなセリフも、いかにもという感じの、ドラマティックな展開も少ないんですけどね。実際に世界のどこかで、今、この瞬間にも進行していそうな、リアルで淡々とした話です。だけどうまく練り上げられたエンターテインメント作品よりも、心に響くんです。どんなストーリーかといいますと・・・。
続きを読む【自分ハック】ナッジ理論で運動習慣をつける
雪の降る日曜日は贅沢なつまみ読みで楽しもう。
意味もなく冷蔵庫を開けて、行儀悪くつまみ食いをすると、いつもの食べ物が、より旨く感じることってないですか?
同じように本も、さぁ読むぞ!と気合を入れて読むのも楽しいですが、たまには、本棚の中から、こっちの本を少し、あっちの本を少し・・・みたいな読み方も楽しいです。いうならばつまみ食いならぬ、つまみ読みというところでしょうか。特に・・・。
続きを読む【書評】おらおらでひとりいぐも☆桃子おばあちゃんの哲学にいいね100回連打した
元祖ライフハックの達人ロビンソン・クルーソーのノート術
- 作者: デフォー,Daniel Defoe,平井正穂
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1967/10/16
- メディア: 文庫
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ロビンソン・クルーソーの最初の100ページくらいを読んだんですが、無人島での生活がなかなか始まりません。前置きが大体60数ページ続きます。サバイバル生活を読むのを楽しみにしていると少々スカされてしまいます。だけどさくさくと読み進みました。なぜなら島に着く前からすでに面白いからです。その面白さのポイントはふたつあります。まずひとつめは・・・。
続きを読む文豪森鴎外の舞姫はイヤミスか?という話。
はじめて森鴎外を読みました。夏目漱石は好きなので多少読んでるんですけど、同時代の鴎外はなんとなく苦手でした。なんか、お固いイメージがあって。それに森鴎外ってスーパーエリートですよね。加えて顔写真もたぶん文豪界随一の怖さだし(笑)
で、そんな偉そうな人の本は読むのはキツイなぁ、ついでにページを開いときの、文章の字面からして、漢文ぽいというのか、古文みたいというか、見ているだけでこれ無理そうって思ってしまう。だから、ずっと鴎外は読んだことがなかったわけです。
ところがこのちくま文庫は井上靖が読みやすく現代語訳をしている本なんですね。すごく読みやすいです。で、驚きました。鴎外自身がモデルの一人であるという主人公太田豊太郎という人物がけっこうダメダメなやつで親近感が湧いてくるんですよ。
そしてこの話、高尚で偉そうな気高い名作とかなんかではなくて、読み始めると、読みたくもなないのについつい最後まで読んでしまうという謎の吸引力をもつ現代のイヤミスみたいだ、と思ってしまいました。つまり、文豪界ナンバー・ワンの強面森鴎外のデビュー小説はイヤミスだった!という話。
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