天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

プリテンダーズを聴いてR&Rの気持ちよさの正体を考えた

 

Middle Of The Road (2007 Remastered LP Version)

Middle Of The Road (2007 Remastered LP Version)

 

 プライムミュージックで聴ける名曲 ①

「情熱のロックンロード(Middle Of The Road)/The Pretenders」

ロックンロールに欠かせないのは「活きの良さ」なんじゃないかなと勝手に思ってます。「活きの良さ」っていうのは、例えるなら、釣りの時に魚がかかった時の「ビクビクッ」みたいな感じでしょうかね。音でそんな「ビクビクッ」を感じさせてくれないとロックンロールじゃない、と勝手に思ってます(笑)ということで・・・。

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 我々がAmazonやGoogleに支払っているものは何か?

 

1984

1984

 

 『我々がAmazonGoogleに支払っているものは何か?』

AmazonFIREスティックは優れものである。テレビのHDMI端子に差し込むだけで付属のリモコンを使い映画を簡単に見る事が出来る。映画を見るのも楽しいが、それ以上に私が利用しているのが、プライムミュージックである。FIREスティックはプライムミュージックもテレビ上で楽しめるのだ。

私が聴くことの多い古めのロックやジャズのラインナップも豊富だ。1950年代のジャズから1990年代のロックをリモコンで次から次へと聞き流していく休日の午後は時に不思議な感覚にとらわれることがある。

例えば昨日のことだ。音楽のザッピングをしているうちに、自分にとって忘れられらない思い出深い曲と偶然再会した。私が生まれて初めて買ったシングルレコードの曲だ。その曲を聴いているうちに意識が30年前に戻っていった。私はその当時その曲を聴くために1ヶ月の時間をかけたのである。かけたというよりも物理的に1ヶ月の時間が必要だったのである。今の若い人たちに信じられるだろうか?

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映画とは道徳とか正義を娯楽化したものだと考えると映画の別の顔が見えてくる【ストーリーの解剖学】

 

ストーリーの解剖学ーハリウット?No.1スクリプトドクターの脚本講座

ストーリーの解剖学ーハリウット?No.1スクリプトドクターの脚本講座

  • 作者: シ?ョン・トゥルーヒ?ー,John Truby,吉田俊太郎
  • 出版社/メーカー: フィルムアート社
  • 発売日: 2017/07/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 脚本が素晴らしいと言われている映画、例えばゴッドファーザートッツィーとかLAコンフィデンシャルなどを題材にストーリーの作り方を学ぶ、という本です。内容はものすごく濃くて、おそらく、映画学校みたいなところで、半年とか1年くらいかけて学ぶくらいのレベルなのではないかと、思います。ストーリー作りにおいてよく言われるヒーローズジャーニーとか三幕構成に対しては少し批判的で、著者が考案したという22のストーリー構造という考え方をもとに、ストーリーを作り上げよう、という本になります。その22の構造とは以下のものです。

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自分で笑えるくらいにいい人演じてみれば?と提案する笑えるエッセイ集

 

「自分は十も愛しているのだから、相手はそれに利息をつけて十二の愛を返して欲しい。それがみんなの気持ちなんです。銀行だって利息がつかないこの時代に、なんで愛に利息がつきますか(笑)」
瀬戸内寂聴(グッとくる「はげまし」言葉 (文春文庫) 齋藤 孝より)

読んでてハッとしたので書き写してみました。そうなんですよね。とかく僕たちが愚痴る事の半分くらいは自分の行いに対しての見返りが少ない事。利息の付いたお返しが返ってこない事。こんなにお前のことを考えて、やってやってるのに・・・こんなにがんばって努力したというのに・・・・。

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哲学を使って、おもしろきこともなき世を300倍おもしろく。

 

「おもしろきこともなき世をおもしろく」高杉晋作

さて毎日が楽しいか、つまらないかって結局のところ「気分」だと思いませんか?なんせ人間おそらく当たらないだろうと思ってる宝くじを買うだけでしばらくハッピーに過ごせますからね(笑)つまり楽しく過ごしたいと思ったらいかに『気分』を主体的に良くしていくか、ということになりますね。まあ、別に無理矢理笑って過ごそうとか
ポジポジで行こうとかそういうことではないんですけどやっぱり楽しいほうがいいですよね。ということで今回は「哲学」を使っていかに毎日を楽しく生きていくか?というヒントを教えてくれる本です!

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難しいけど「なにかあるんじゃないの??感」が満載の話題のマンガを無理やり考察する【不滅のあなたへ(3)】

 

  このマンガは難しい。でも、面白さを理解できない自分の読みが甘いのだろうか?と疑わざるをえないほど「なにかあるんじゃないの??感」が満載なので、とりあえず今の時点での考察を残しておきます。コミックスで5巻まで出ているということなんですが、私が読んだのは3巻まです。まず簡単にどんな話なのかと說明いたします・・・。

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西郷どんも登場しちゃう明治を舞台にした大傑作ミステリ

 

明治断頭台―山田風太郎明治小説全集〈7〉 (ちくま文庫)

明治断頭台―山田風太郎明治小説全集〈7〉 (ちくま文庫)

 

 今回ご紹介するのは明治2年から4年にかけての東京を舞台にしたミステリーになります。ミステリは、パズルとか、からくり細工に例えられることが多いですが、この作品もその系列に入っております。クライマックスにおいて「とんでもない謎」がドミノが倒れて全く違う絵が浮かんでくるがごとく、謎が解明される様子は読んでいて楽しくてうっとりいたします。ところが、この作品、そのような「楽しさ」だけではないんですね。どんなことかといますと・・・。

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