天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

プリテンダーズを聴いてR&Rの気持ちよさの正体を考えた

 

Middle Of The Road (2007 Remastered LP Version)

Middle Of The Road (2007 Remastered LP Version)

 

 プライムミュージックで聴ける名曲 ①

「情熱のロックンロード(Middle Of The Road)/The Pretenders」

ロックンロールに欠かせないのは「活きの良さ」なんじゃないかなと勝手に思ってます。「活きの良さ」っていうのは、例えるなら、釣りの時に魚がかかった時の「ビクビクッ」みたいな感じでしょうかね。音でそんな「ビクビクッ」を感じさせてくれないとロックンロールじゃない、と勝手に思ってます(笑)ということで・・・。

 ロックンロールを聴くならピチッピチの魚の生命に触れるような感覚の「活きの良い」音が聴きたい。ロックンロールを聴く気持ちよさの正体って、そんな生命の熱、つまり「ビクビクッ」を感じることにあるんじゃないんじゃないのかなぁ、なんて個人的には思ってます。皆さまはいかがでしょうか?

 さて今回ご紹介いたします、プリテンダーズの「情熱のロックンロード(Middle Of The Road)」は、初めて聴いてから何十年も経ってますが、いま聴いても、問答無用で「ビクビクッ」っときますね、最高です。

リズム隊は迫力満点な大波みたいな大胆さ。クリアな音色のギターのメロディとカッティングは大波の上をゆらゆら揺れながら波乗りするサーフボード。サーフボードに乗ってるのは超クールな女性ヴォーカリスト、クリッシー・ハインド。歌い方もこれまた超クール。涼しい顔で辛辣に世界と彼女自身の人生を歌う。だけど、聴いているぼくにはクールな彼女の抑えても抑えきれない「何か」が聴こえてくる。

道の真中。それがわたしをつかまえようとしている。計画がかなえられなれないまま、わたしは人生のまんなかにいる。

あなたが第三世界の世界の大きな部分を所有しているとき、赤ん坊たちの運命は生まれたときから決まっている。

怒りや憎しみだけでは世界とは戦えないし和解もできない。クリッシーの歌い方のように熱い思いをクールに、時にユーモラスに、昇華させて歌うべきだろうなぁと思ったりもします。毎日の暮らしにちょっと飽きてきて、イマイチ元気ないなぁ、なんて時には「活きの良い」この曲を聴きたいところです。するとまた、道の真中に飛び出していく元気が出てくるかもしれません。

参考文献(楽曲のセレクトと対訳の引用)

ロックンロール ベスト100シングル

ロックンロール ベスト100シングル