天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

シンギュラリティとは見えないタイセイホウカンみたいなものか?

 

シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

 

 ターミネーターマトリックス。さらに古くは銀河鉄道999。それらの映画の共通点。それは機械や人工知能に人間が支配されているというディストピアな世界観を描いているというところ。

 

30年前はターミネーターよりノストラダムスの大予言のほうが怖かった。15年前も、まだマトリックスはあくまで妄想であり、あくまで現実の世界を皮肉った映画だと思った。だけど3年前くらいになるともしかして?なんてことを考えだしはじめ、今や、真剣にAIに人間の50%以上の仕事は奪われるのではないのか?そして2045年にはシンギュラリティなるちょっと恐ろしげな語感を持つ『何か?』が起こって、人工知能が人間を支配する世界がやってくるのではないか?なんて事が真剣に議論されている。

 

この地球を支配している(つもりの)人間は、自らが作った人工知能にこの惑星の未来を託すことになるのだろうか?
そうなると、シンギュラリティというのは大政奉還みたいなものという事になりますね。スケールは全然違いますが。それとも2050年頃には、我々が今ノストラダムスの大予言をノスタルジックなギャグとしてとらえるのと同じように、シンギュラリティも懐かしい冗談になるのか?どうなんでしょうね?

 

今回この本をざーっと、再読したので、的外れになるかもしれないですけど、自分なりにまとめてみた。
以下
(著者の意を私が理解できているかはわかりません。私がそのような事かな?と思ったという未来像をまとめてみました。)

まず2020年代の終わりまでに、人間の脳のリバースエンジニアリング(分析することによっての解析)は完了。感情的知性も、あいまいなファジーな部分も再現できるAIシステムが出来上がる。その結果として、ふたつのシナリオが考えられる。


①人間並みのAIを、非生物的なもの、つまりロボットに搭載してアンドロイド、ヒューマノイドとして人と共存させる。


②我々今生きている人間にそのAIを補助装置として搭載する、というシナリオ。具体的にはナノボットというAIを搭載した超小型ロボットを人間の脳内に挿入する。そのナノボットは脳内の動きを補助することも出来るし(回転数を上げる手伝いをしたり)、外部にあるAIとも通信できる。もしも外部のAIと個人の脳内にあるナノボットが通信可能になると何が出来るか?それはデータのやり取りである。その人間の体調、例えば正確な血流であるとかを読み取ることによって完全な身体情報を読取ることができる。加えて、脳を個別な目的のために動かすアプリケーション的なものを直接ダウンロード出来るということも可能になる。イメージ的には映画マトリックスにて、ネオがカンフーの技術をデータを取り込むことによってすぐにマスターしたように。どういうふうに神経を動かし筋肉を動かすのか?という身体的情報(普通は何年もかかってマスターする技でありコツ)を、直接対象者の脳に指示できるようになるということ。このあたりは脳に関してだけの話だが、その他の身体のパーツ全てにおいても可能となる。見た目にわからないパワードスーツをつけるというイメージ。そうなるとまるで人間というよりも「サイボーグ」だし、それこそ外見上は「ターミネーター」だ。この流れ、つまり①のロボットが賢くなって人間を脅かすというよりも、②の人間自体がロボットになって、今までの社会を変えていく、その流れに抵抗する人にとっては、心底脅威となる、ということこそが、「シンギュラリティの衝撃」ということかな、と私は解釈しました。

2017/09/18

 

以下、第1章部分から面白部分を抜書き。

「人間は頭の中で抽象的なモデルを作り出し、そのモデルが何を意味しているのかを理性的に考える能力がある。世界を自分の頭の中で再設定し、そこで得られた考えを行動に移す、という力だ。」p24

 

「ハードとソフトの両方が人間の知能を完全に模倣できるようになれば、2020年代の終わりまでには、コンピューターがチューリングテストに合格できるようになり、コンピューターの機能が生物としての人間の知能がつかなくなるまでになる。」p33

 

人間の知能に従来からある長所の1つに、パターン認識なる恐るべき能力がある。超並列処理、自己組織化機能を備えた人間の脳は、捉えがたい一定した特性をもつパターン認識するには理想的な構造物だ。人間はさらに、経験をもとに洞察を働かせ、原理を推測することで、新しい知識を学習する力を持っている。これには、言語を用いて情報収集することも含まれる。人間の知能の中でも重要なものに、頭の中で現実をモデル化し、そのモデルの様々な側面を変化させることで、「こうなったらどうなるだろう」という実験を頭の中で行う能力がある。 p34

 

非生物的な知能は、技能や知識を、他の機械からダウンロードするようになるだろう。そのうち人間からもダウンロードするようになる。機械は、インターネットを通じて、人間と機械が合体した文明にあるすべての知識にアクセスし、その全てを習得することができる。
機械は、それぞれが持つ資源と機能と記憶を共有することができる。2台の機械、または100万台でも1つになったり、別々のものに戻ったりすることができる。ある多数の機械が、この2つを同時にする。
つまり、同時に1つにも別々になることができる、人間はこれを恋愛と呼ぶが、生物が持つ恋愛の能力は、はかなくて信用できない。

ナノテクノロジーを用いてナノボットを設定することができる。
ナノボットは、生体のニューロンと相互作用して、神経系の内部からバーチャルリアリティーを作りだし、人間の体験を大幅に広げる。ノの毛細血管に数十億個のナノボットを送り込みに人間の知能大幅に高める。p37

 

2017/09/18