天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

文学

男装した女性が南北戦争に従軍するという話なんですが・・・。

ネバーホーム 作者: レアード・ハント,柴田元幸 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/12/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 重い作品です。読み終わってから、心にいくつか重石を置かれたような読後感です。設定だけ聞くと、ス…

『翼の折れた(元)天使が再び空を飛ぶ方法は仁王像が教えてくれる(かもしれない)という話』

文鳥・夢十夜 (新潮文庫) 作者: 夏目漱石 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2002/09 メディア: 文庫 購入: 8人 クリック: 39回 この商品を含むブログ (154件) を見る 怠けていることは喜びかもしれないが重苦しい状態である。 幸せになるためには何かをして…

西郷どんも登場しちゃう明治を舞台にした大傑作ミステリ

明治断頭台―山田風太郎明治小説全集〈7〉 (ちくま文庫) 作者: 山田風太郎 出版社/メーカー: 筑摩書房 発売日: 1997/08/01 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 41回 この商品を含むブログ (31件) を見る 今回ご紹介するのは明治2年から4年にかけての東京を舞…

道路掃除夫ペッポがマインドフルネスの達人であったという話

モモ (岩波少年文庫(127)) 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2005/06/16 メディア: 新書 購入: 41人 クリック: 434回 この商品を含むブログ (298件) を見る 今回久々に再読をしたのですが、やはり面白かったですね。…

サバイバルものとしては究極でしょ!という面白本

火星の人〔新版〕(上) (ハヤカワ文庫SF) 作者: アンディ・ウィアー,小野田和子 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/12/08 メディア: ペーパーバック この商品を含むブログ (35件) を見る 昔からロビンソンクルーソーとか、不思議な島のフローネ(原題は…

未来は常に過去を変えている、という話も嘘じゃないよなと思わせる小説

マチネの終わりに 作者: 平野啓一郎 出版社/メーカー: 毎日新聞出版 発売日: 2016/04/08 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (18件) を見る 『未来は常に過去を変えている。』 いまやっていること、そしてこれからやる事によって過去の出来事の意味は変…

エンターテイメント性がより強くなった大人気ミステリシリーズの第4弾

ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫 ラ 19-1) 作者: ダヴィドラーゲルクランツ,ヘレンハルメ美穂,羽根由 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/09/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 前から読みたいと思って…

ボールを投げる側に回るのもありかなぁとも思ったりした胸締め付け感満載の小説

さくら (小学館文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2007/12/04 メディア: 文庫 購入: 2人 クリック: 68回 この商品を含むブログ (54件) を見る 西加奈子さんの「さくら」を読んだ。数年ぶりの再読である。Amazonレビューで酷評されている…

片付けをモチーフにした小説

あなたの人生、片づけます (双葉文庫) 作者: 垣谷美雨 出版社/メーカー: 双葉社 発売日: 2016/11/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 片づけをテーマにした小説です。片づけに関するノウハウ本は世の中にたくさんあります。しかし、片づけをテー…

本当の勇気とはなにかを考えさせられる小説です。

本当の戦争の話をしよう (文春文庫) 作者: ティム・オブライエン,Tim O'Brien,村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 1998/02/01 メディア: 文庫 購入: 9人 クリック: 213回 この商品を含むブログ (102件) を見る これは2017年に読んだ小説の中では一…

ビーチ・ボーイズと村上春樹

意味がなければスイングはない (文春文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2008/12/04 メディア: 文庫 購入: 15人 クリック: 43回 この商品を含むブログ (89件) を見る 村上春樹の文章がいちばん染みるのは「悲劇」を描いているときだと…

ゴーゴリという文豪のぶっ飛び具合にぶっ飛ばされた!

鼻/外套/査察官 (光文社古典新訳文庫) 作者: ゴーゴリ,浦雅春 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2006/11/09 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 24回 この商品を含むブログ (58件) を見る ゴーゴリというと名前だけは聞いたことがあるけれど全く読んだこと…

まるごと受け止める勇気を描いているこの物語に落涙

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF) 作者: テッド・チャン,公手成幸,浅倉久志,古沢嘉通,嶋田洋一 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2003/09/30 メディア: 文庫 購入: 40人 クリック: 509回 この商品を含むブログ (394件) を見る 読んだあとにこの小説っ…

苦味と甘味のブレンドが絶妙すぎる大人のためのメルヘンな短編集

ダック・コール (ハヤカワ文庫JA) 作者: 稲見一良 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 1994/02/01 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 14回 この商品を含むブログ (28件) を見る 日本のハードボイルドの中では伝説的な作品と言われているこの小説。実はハー…

小説の正しい読み方をマスターすると今より小説が面白く読めるようになるらしいです。

小説の読み方の教科書 作者: 岩崎夏海 出版社/メーカー: 潮出版社 発売日: 2011/10/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 132回 この商品を含むブログ (29件) を見る もしドラの岩崎さんが書いた小説の読み方の本。岩崎さんによれば、小説は好き勝…

憧れとの理想的な決着のつけかたを見せてくれた対談集

みみずくは黄昏に飛びたつ 作者: 川上未映子,村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (22件) を見る 誰でも10代の頃に憧れたヒーローとかヒロインっていますよね。で、もしも大人にな…

旅に持っていく本を選ぶ時の楽しさを思い出させてくれる小説

八月の六日間 (角川文庫) 作者: 北村薫 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2016/06/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る 私はミニマリストに憧れながらもやっぱり物は好きである。で、下世話なのか雑誌なんかで他人のカバンの中…

”もののあはれ”という概念とSFを結合するとどんな物語が生まれるのか?

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: ケンリュウ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/05/29 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (9件) を見る 「もののあはれ」という極めて日本的な概念がありますが、これを違う国の人に、または同じ…

ぬいぐるみとかおもちゃは子どもたちに何を与えてくれるのか?という話。

チヨ子 (光文社文庫) 作者: 宮部みゆき 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2011/07/12 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (56件) を見る この本は短編集なんですがタイトル作の「チヨ子」という作品はぬいぐるみがモチーフの不思…

良い大衆小説を読むと毎日の楽しさを受信する感度が高くなるという話

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞 作者: 佐藤正午 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/04/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (25件) を見る 生まれ変わり。輪廻転生ともいいますが、どうでしょう?もしもあなたのところに知らない誰かが訪ねてき…

記憶を保ったまま服を着替えるように身体を乗り換えれば人は不死になるのか?という話。

カノン (河出文庫) 作者: 中原清一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/12/03 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 人とは何か?記憶こそがその人だ、という考え方がある。とすると記憶だけを保存して、服を着替えるように身体とい…

愛されることと理解されることの二者択一だったらどっちを選ぶか?を考えさせられる1984という小説

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2009/07/18 メディア: ペーパーバック 購入: 38人 クリック: 329回 この商品を含むブログ (349件) を見る 昨年にトランプが大統領に就任した…

人はなぜ小説を読むのか?という話

蜜柑・尾生の信 他十八篇 (岩波文庫) 作者: 芥川竜之介 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/05/17 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 今まで一体何冊の小説を読んできたんだろう?と考えることがあります。たぶんリアルに知り合った人…

ハルキストではない私が大好きな村上春樹をアンチ村上春樹な人たちにすすめるとしたら。

東京奇譚集 (新潮文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/11/28 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 84回 この商品を含むブログ (315件) を見る 私は村上春樹をかなり読みますが「ハルキスト」というくくりは好きではないです。なんで…

世に無駄はない。世を無駄にするものがいるだけだ

文庫版 書楼弔堂 破暁 (集英社文庫) 作者: 京極夏彦 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/12/16 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 人はなぜ本を読むのか?その考え方は人それぞれかと思いますが、今回ご紹介する本の中で提示されている考…

忘れられる権利を主張しなければいけない時代に人はどう生きるか?

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/10/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (10件) を見る 皆さんはラブレターを書いたことがありますか? 交換日記なんてものも…

カズオ・イシグロが後からジワジワくる理由

今回、カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞した記念に長らく積読だったこの作品を読んでみた。イシグロ氏の作品を読んだのはこれで4冊目ということになる。どの作品を読んでみても感じるのは「読み終わった後にジワジワくる」ということだ。この「わた…