天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

速読実践6【メイキング・オブ・勉強の哲学】☆哲学とはあるあるネタ探しなのかも?

一般に、世の中には「勉強フォビア(恐怖症)」があります。多くの親は子供に「勉強しなさい」と言いますが、それは実際には、ほどほどに、である。ほどほどに勉強して、社会にうまく適応してほしい。勉強しすぎて、やばいやつにはなってほしくないのです。

【メイキング・オブ・勉強の哲学】p20

世の中にはこんな感じの言われてみれば確かに!!っていう言葉がありますよね。

例えばこんなまとめサイトがあります。

matome.naver.jp

で、世の中にはそのような言語化されていない「確かに!」を見つけて、商売のネタにしている人もいます。例えばあるあるネタが得意なお笑い芸人や、時代の欲望や気分を言葉にするコピーライターとか・・・。

そして哲学者っていうのも、そういう視点でみると、お笑い芸人やコピーライターと近い職業なんじゃないかと思うんですよ。

ゼロから理屈をひねり出すのではなくて、すでにあるんだけど、言語化されていないなにものかに名前を付けてやるってのが、哲学者の主な仕事なんじゃないかなぁなんて思うんですね。例えば哲学者の名言を集めたこのまとめ。

matome.naver.jp

どれも、なるほど〜、と思うものばかりです。

大きな恩恵は、感謝を生み出さない。

なんて言葉は刺さりますね〜。本当に「確かに!」って思っちゃいます。

で、なぜ、刺さるのか?というと、その言葉を聞いて納得できるから。

つまりその言葉が表す事象を聞く方もすでに体感しているから、ということなんでしょうね。

というようなことを考えたのはこの本を読んだからです。ということでこちらが速読実践の6冊目。

メイキング・オブ・勉強の哲学

メイキング・オブ・勉強の哲学

 

 この本は2017年4月に出版されたこの本のメイキング版ということです。

勉強の哲学 来たるべきバカのために

勉強の哲学 来たるべきバカのために

 

 この【勉強の哲学 来るべきバカのために】という本もなかなか面白い本でした。冒頭に引用した文章みたいな、まさに誰も口にはしない本音を明快に言葉にしていて楽しませてくれる本でした。だけど私的には今回読んだメイキング版のほうが興味深く読めたのです。なぜかといいますと・・・。

この本では著者の千葉さんが本を書くときの方法を惜しみなく公開してくれているんですよ。具体的にいいますと勉強の哲学という本の肝である、新たな「確かに!」ネタの制作過程を公開してくれているんですね。

具体的には考えるためのツールの紹介です。手書きノート、アウトラインプロセッサEvernoteの3つを使って千葉さんは考え、書くそうです。

で、その3つを使ってどこにでも転がっている小さな気づきを、本のネタになるくらいまで、整理して、なおかつどうやってふくらませたのか?という過程が書いてあるんですね。

本体とメイキング版を見比べながら読んでみると、ははぁ、こういう思いつきで結論が導かれて、実際の文章になったのだなぁということがわかるのです。

 これは何らかの文章を書いている、または書きたい、と思っている人にとってはかなり参考になる内容です。だから、私は前述しましたとおり本体の【勉強の哲学】よりも【メイキング・オブ勉強の哲学】のほうがより興味深く読めたのです。自分で何か書いていて行き詰ったときとか、この2冊を交互に眺めてアイデアのひらめきを待つっていうのもいいかもしれませんね。

ということで今回の速読データ。

1ページあたり42✕14=588  これに6掛け、588✕0.6=352文字

約140ページ✕352=49280文字。

これを40分で読みました。テンポは110。

ということで1分間あたり1232文字。

理解度7(10点満点)響き度5(10点満点)本の難易度3(10点満点)

でした。悪名の棺もそうですが、この本もさくさく読めたと思ったのに1分間あたりの文字数は延びてないんですね。なんでなんだろう?不思議です。