天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

察しが良くて気の利く優しい人工知能(AI)は世界をどう変えるか?

最近人間の表情を読むことによって感情を判別するAIなんてのが少しずつ話題になってますね。どういう仕組なんですかね。気になって調べてみたらこんなサイトがありました。

business.nikkeibp.co.jp

www.nikkei.com

人間の40を超える表情筋を察知することによって、本人でさえ、意識できない「感情」を、事前に検知できるようになるかもしれないということです。実際に眠気を本人が察知する前に、口をもぞもぞさせるなどの「前兆」なども読み取り、その後に起こる、大きな身体反応や感情を読み取る、ということですね。

で、車を運転中の眠気の事前察知という使い方だと、電動アシスト自転車みたいなもので、本人の「感情事前察知アシスト」みたいなものですが、今後は当然、対人的にも使われていくんでしょうね。

ざっくりいうと「あの人は何を考えてるんだ?」という推測をAIに手伝ってもらう、または代行してしまう、ということになるんでしょうか?別のニュースですが・・・。

 企業が従業員の表情をモニターに映して、瞳孔の開き具合などのデータをもとに、ストレス具合を調べるなんて話もありました。当然のことながら、わかるのはストレス具合だけではないでしょうね(*_*)もちろんあまり知られたくない感情も読み取られることになっていくんだろうと・・・。

 

で、もしもそのような技術が進んでどうなっていくのかな?と想像しちゃいますが、まずはビジネス上で使われることになるんでしょうね。例えば、お店の入り口に設置されたカメラが来店客の表情を捉えて、冷やかしなのか、買う気満々なのかを、一瞬で判断できるとか。または、営業マンが感情察知装置を搭載したメガメをかけて、見込み客がどう考えているのかを察知したりとか・・・。

そんなことを考えていて、思い出したのが、小林秀雄の【考えるヒント】のなかの「良心」という文章。

新装版 考えるヒント (文春文庫)

新装版 考えるヒント (文春文庫)

 

 嘘発見器について書いてるんですが、、もしも完璧な嘘発見器が発明されて、誰も嘘をつかない世の中が出来たら、それは「人の世」なのか?なんて疑問が書かれていたような気がします。

同じように、もしも表情筋を読み取るデバイスが当たり前のようになったとしたら、人間の行動も、考えていることも、変わっていくんでしょうね。

で、使わない能力は退化するといいますが、未来において、自然に自力で相手の感情を推し量るということが超能力みたいに思われる時代がきたりするんだろうか?なんてちょっと怖い妄想もしてしまいます。