天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

5年後の音声入力の世界を妄想する〜「Mr・ハルキ」とは何か?

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私も音声入力はたまに試しています。とても便利です。で、音声入力って、これからどうなるんだろうなぁということもいろいろ考えたりします。で、5年後の音声入力の世界のイメージは【her 世界でひとりの彼女】という映画のような感じになるのだろう、と思っています。

 この映画の中でコンピュータとスマホは画面上に、ほぼ、ずっと映しだされています。
なぜなら主人公は顧客のプライベートな手紙(主にラブレター)などを代行して書くという文章作成を仕事としている男性であり、コンピュータは仕事上の大切な道具だからです。

映画の中で彼の日常の仕事風景の場面はたくさん出てきます。彼はオフィスでディスプレイに向かって、ゆっくりと、少しずつ、考えながら、会った事のない、誰かの誰かに対する愛情を想像しながら、ディスプレイに向かって言葉を紡いでいきます。しかし面白い事に入力装置としてのキーボードとマウスはいっさい登場しません。コンピュータの操作、そして文字の入力は全て音声による指示のみだからです。

そしてこのコンピュータの音声入力装置を動かしているOSは驚く事に、文章の校正と編集もするんですね。それも「あの部分、言い回しがおかしいので直しておきましたよー」っていう事後報告だったりもします。気がきくというか、おせっかいというか(笑)

そして主人公には内緒で、今まで彼が代筆してきた、たくさんの誰かのラブレターや会った事もない家族への手紙をまとめ直し、編集し・・・・・おっ、素敵な奇跡が!
という事もストーリーの中で起きてしまいます。気になる方は本編をどうぞ。

で、ここからは私が考えた未来の音声入力装置の予想を書きます。現在の音声入力装置のレベルは話した事をまぁ許せるレベルに文字化してくれている、っていう段階じゃないですか。

でもおそらく3年〜5年後くらいには、話した事「以上」の文章をコンピュータが作ってくれるような気がするんです。具体的なイメージを述べますと、普通の人が書いた普通の文章を「盛る、そして飾り付ける」ソフトウエアが実用化されると思うんですね。

商品名としては「ザ・アクタガワ」とか「Mr.ハルキ」なんて感じで、書いた文章、話した言葉を、文章の意味を保ったまま、希望の文体、雰囲気に変えてくれるアプリケーションが普通に使われるんじゃないのかと。

まあ、そういった趣味的な文学系だけではなく、ビジネス上の伝達事項を伝えるドキュメントを作成したい場合も同様。コンピュータに向けて簡単なキーワードをいくつか話すだけで、コンピュータ側が意味をくみ取り、的確で失礼のない文章を勝手に作り上げてくれたりする、そんなソフトウエアが普通に使われるような気がします。

まあ、考える部分も人工知能に少しずつ依存していく、という感じでしょうか。
ただ考えなくてはならない危惧があります。そこまで便利になってしまうと、人間が主なのか?人工知能が主なのか?わからなくなってしまうという事ですね。

【未来に先回りする思考法】という本によれば、テクノロジーというのはいずれそれを作った人間を支配する方向へ進んでいく、という事が書かれていました。

 

未来に先回りする思考法
 

 どういう事かというと、例えば「お金」というもので考えるとわかりやすいかもしれません。直接的にお金が人間に対して、あーしろ、こーしろ、と語りかけることはありませんが、もしも行動の動機がお金という、ひとつのテクノロジーに動かされている、としたらそれは実質的に支配されている、という事になりますよね。

文章作成というのは、ある意味人間の考える力という奇跡的な能力を目に見えるカタチに表したものなわけですから、もしも考える部分も人工知能に依存してしまうということ=考えることを人工知能に実質的には支配される、という事になってしまいますね。う〜ん。考える部分だけは支配されずに、残しておきたいものだよなあ、とも思います。

ちょっとブラックな結論になってしまいました。ただこういう書いてる本人が予想もしない結論に行っちゃうところが、人工知能ではなく、私という、人間が考えた文章という特徴でもあるんでしょうね(^^)

2017/03/07