天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

頭の中がごちゃごちゃでわけわからん!って時はディランのこの曲がおすすめ。

 

血の轍

血の轍

プライムミュージックで聴ける名曲 ③

【ブルーにこんがらがって】

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何十年か生きてると、いろんな事情やら因縁めいた、さまざまな出来事がからみあって うんざりすることがありませんか?収集つかん、わけわからん、どうにも出来ん!みたいな。

そんなときって前向きにどうこうしようっていうパワーも少なくなってるから、やけっぱちになって、お手軽なストレス解消に向かってしまう。酒とかギャンブルみたいな・・・。

で、その結果、ストレス解消できればいいんだけど、空腹の時にジャンクフードをバカ食いしたあとに胃もたれしちゃうみたいな状態と同じで、前より気分が悪くなるみたいな・・・。

私はそんなことを何度も繰り返したもんですから、最近はちょっと知恵がついてきて、頭の中がごちゃごちゃになってるなぁと思ったら、家で静かに決まった曲をリピートで聴くようにしているんですよ。それがこの曲・・・。

 この「血の轍」というアルバムの一曲目の「ブルーにこんがらかって」という曲。なんとも不思議な魅力のある曲です。雰囲気的には夢の中で見知らぬ森を歩いてるみたいな印象でしょうかね。たしかにタイトルの印象通りこんがらがった雰囲気もあるのですが、どこか、こんがらかったり、迷ったりしている、その時間を楽しんでいる、みたいな余裕というか良い意味での諦念みたいなものも感じるんです。

で、そのまぁいいさ感が伝染するからなのか、聴いてると、ゆっくりと自分の中にある、こんがらがった問題がほどけていくような気がするんですよ。というか、こんがらかったままでも、どうにかなるだろう、みたい気分になるというか。

で「こんがらかる」といえば、糸井重里さんの本にこんな言葉がありました。

 あらゆるこんがらがった糸というのは根気よく丁寧にほどいていけばいつかはすっと一本の糸に戻せる。逆に特別に良い方法があるか?とあせりはじめるとますますこんがらがることになる。とにかくほどきはじめるしかないのだ。ほどくことを始める、それしかないのだ。

こんがらがった糸っていうのは切らない限りはほどける可能性はあるんですね。最初はそれぞれ一本の糸だったわけだからあたりまえですが。そしてそれが赤い糸か黒い糸かはわかりませんが(笑)

だから今すぐ問題がほどけなくとも、答えがはっきりと決まってなくてもいいから、とにかく目の前のからまりを少しずつほどきはじめること。そのじっくりとほどいていく時間をむしろ楽しむ余裕をもつこと。言い換えれば「はっきりしなくとも進む勇気」ともいえますかね。糸井さんの言葉と会わせてディランのこの曲を聞くたびに繰り返し自分に言い聞かせていることです。

 

小さいことばを歌う場所 (ほぼ日ブックス)

小さいことばを歌う場所 (ほぼ日ブックス)

 

 

2016/09/1