映画って問題解決の見本じゃないですか??
映画に限らず、小説、マンガなどの物語(ストーリー)を問題解決という視点で見てみると面白いです。その物語ってそもそも何なの?という疑問(問題)を、ざっくりと答える(解決)とするのならこう云えるのでないかと思います。
「自分に欠けているものを探しに行く過程を描くもの」
これを究極にシンプルに描いたものが・・・
【ぼくを探しに】という絵本に描かれたストーリーのような気がします。
- 作者: シェル・シルヴァスタイン,Shel Silverstein,倉橋由美子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1979/04/12
- メディア: 単行本
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世の中にある数えきれないストーリーを煎じ詰めて抽象的にするとこのシンプルなストーリーになるのだろうなあ、と思います。
で、そのように物語というのは欠けている状態(問題)を探しに行く過程(解決策を実行する)と仮定してみると、なぜ人間が物語を求めるのか?なぜ映画をみたり、小説を読んだり、自分の生きてきた道を誰かに語りたくなるのか?その答えが見えてくるような気がします。
物語というのは我々が生きているあいだにどうしてもぶつかってしまう様々な問題に対して他の人たちがどのように対処してきたのか?その結果どのように解決されたのか?はたまた解決が叶わなかったのか?それらの見本(ショーケース)ともいえるんですね。
だから我々は物語の登場人物の栄光と挫折、成功と失敗、歓喜と失望を我がことのように共感するんですね。そして物語をずっと絶えず語り続けられているんですね。洞穴でひっそり生活していた頃から今にいたってもずっと。ということで映画って問題解決の見本なんじゃないのかな?と僕は思うのです。
ではいくつか超メジャーな映画の中で
登場人物が抱える問題をメモしてみます。
この主人公アンディの抱えた問題はデカ過ぎですよね。無実の罪を背負って人生を奪われるという問題を抱えるわけですから。普通に生きて行くという自由が彼の人生からは欠けてしまったわけだ。解決策はもはや脱走するしかないという状況。アンディは見事問題を解決するわけだけどその解決法の肝はなんだったのか?頭の良さもあるかもしれないけど一番大きな要素はグリッド「やり抜く力」ですよね。この映画って何度見ても素晴らしいですよね。
やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
- 作者: アンジェラ・ダックワース,神崎朗子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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この映画の主人公マーティーの問題も大変。父親と母親をくっつけないと自分が生まれない!という事になりますからね、つまり自分という存在が欠けてしまう(笑)これは大変です!!
【羊たちの沈黙】
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
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原作も映画も好きなんですよ。一刻も早くバッファロービルを逮捕しなければならないというのが、捜査官たちの表向きの課題(問題)ですが、実はこのストーリーの中で本当に解決しなくてはいけない問題はクラリス・スターリングの過去の記憶なんですよね。その問題をいかに解決できるのか?つまりこの物語はクラリスという女性の成長物語なんですね。この映画はご覧になったことのある方はたくさんいらっしゃると思いますが羊たちの沈黙というタイトルの意味は憶えてらっしゃいますでしょうか?クラリスが内面的問題を解決したと想像させる場面は本当にいい場面だと思ういます(特にトーマス・ハリスの原作)
ついでですが、村上龍さんが面白い事を言っていたのを思い出した。あらゆる物語は2つに分けられれる。穴に落ちて這い上がる話と穴に落ちたまま這い上がれない話、このどちらかしかないそうです。あなたはどちらの話がお好きでしょうか?
2017/01/23