天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

私たちの精神や思考は読んだ本で出来ているということです

 

戦略読書

戦略読書

 

 著者によると私たちの精神や思考は読んだ本で出来ているということです。著者自身の精神と思考を公開するという意味もあるのでしょうか、巻頭ページのカラー写真には著者の自宅の写真が掲載されています。どんな様子かといいますと・・・。

 書斎は壁一面の本棚に蔵書がずらりと並んでいます。漫画部屋の中ではハンモックが吊ってあり優雅にマンガを読んだりしています。その他家中に本が置いてあります。しかし乱雑な感じは全くありません。とてもよく整理されています。かなりうらやましい家です。本棚がその人を表すというのならとても豊かで鋭い思考をお持ちの方なのだろうと推測できる写真です。

著者は経営コンサルタントなどをしてきた方です。よっていかにビジネス社会でとんがったオリジナルな人材になれるか?という視点で読書の効用を研究してきたようです。

その研究結果がこの本のタイトル「戦略読書」だということです。
《読書生産性=読書から得るもの(リターン)÷かかった時間や手間(コスト)》
そして読書は生きて行くための武器だとはっきりと定義しています。そこまではっきりしてもらえるとスッキリしますね。

面白いなと思ったのが「読書ポートフォリオ」という考え方です。あらゆる本を4つのタイプにわけます。

①ビジネス基礎
②ビジネス応用
③非ビジネス基礎
④非ビジネス新規

 そして自分のキャリア、年齢などに合わせてバランス良く読んでいく、という考え方です。本書にはそれぞれのキャリアに応じたモデルケースも掲載されています。新社会人なら、①ビジネス基礎を重視、こんな本がおすすめですよーというような感じですね。

もうひとつ読書から効率よく情報を得るための5つ視点というのも参考になります。
視点は5つに分かれます。


①反常識 それまでの常識を覆している部分をさがす
②数字 数字で表されている部分を探す
③対比 過去や他業界との比較をしている部分を探す
④一段深く 出典まで読む。関連書籍を探す
⑤抽象化 事例を一段だけ抽象化して記憶する

なるほどこの5点に注目していくだけでもポイントを絞った効率に良い読書が可能になるかもしれません。少し本の体裁のためか?情報量が多すぎるためか?読み進めづらい感もありました。だけど少しずつでも読み進めてみたいなあと思わせる本ですね。
身近なマンガからSF小説、ビジネス書、古典まであらゆるジャンルを網羅したブックガイドとしても高いレベルの一冊です。