天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

ピカソとゴッホの話は少ないけどマネタイズに関してなるほど~と思った一冊

 

なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

なぜゴッホは貧乏で、ピカソは金持ちだったのか?

 

 タイトルのとおりゴッホが貧乏で、ピカソが金持ちだったというのは知っていましたが、ゴッホって生前2000点作成して売れたのが1点だけだったそうです。対してピカソの遺産はなんと7500億円!その差はどこから来たのか?その謎を解明する一冊!ではなかったです(笑)ではどんな本かというと・・・。

 外資投資ファンドで社会人生活を初めその後独立し投資情報会社を設立したりしてきたキャリアをもつ山口さんのこれからの「お金」と「経済」に対する考え方というか予言でありビジョンを語った一冊です。「信用と価値」と「マネタイズ」というキーワードが頭に残りました。

マネタイズとは価値をお金に変えるということのようですがピカソのエピソードはちょっと驚きました。ピカソは買い物をする時必ず現金を使わず小切手を使ったそうです。小切手を受け取った人は換金しません。何故ならその小切手にはサインが入っているじゃないですか!
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シプリアーノ・デ・ラ・サンテシマ・トリニダット・ルイス・イ・ピカソピカソの本名は長い 笑)
とフルネームを書くというのは今僕が考えたウソですが(笑)

だれだって「パブロ・ピカソ」と書かれた小切手を手元に残したいですよね。そうするとピカソ当座預金の口座は減ることはない。つまりピカソは世の中のものほとんどサインひとつ(無料)で手に入れていたんですね(笑)紙切れがお金に変身するんです。
錬金術のように。とんでもないですね、
「パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネポムセノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・シプリアーノ・デ・ラ・サンテシマ・トリニダット・ルイス・イ・ピカソ
という男は(笑)

しかしこんなエピソードもあります。
あるレストランのウェイターがピカソにお礼はするからナプキンに絵を書いて欲しいと頼んだそうです。ピカソはさらさらと30秒ほどで小さな絵を書いてにっこりとした笑顔で「料金は100万円になります」と言ったそうです。「30秒で書いたものが100万円ですか?」とウェイターは驚きましたがピカソは「この絵は30秒ではなく40年と30秒かけて描いたのです」と答えたそうです。その時ピカソは40歳だったんですね。40年かけてピカソは自分の絵に「価値」があるという「信用」を積み上げてきたわけですね。だから「40年と30秒」なりの値段がするわけです。

著者はこのエピソードを1つの例として持論を展開していきます。


お金とは、常に結果である。それは長い期間における価値の創造の結果でしかない。僕たちが目を向けるべきは、原因たる価値なのであるp78

 【信用主義社会】という言葉も言っています。自分なりに意訳すると貨幣というのは国家の信用を元に流通しているわけですが、今後ネット上などに個人の行動ログが残されていくと個人に対して信用度の高い人低い人が出てくる。信用度の高い人は貨幣を払わなくともサービスを受けられたりする時代が【信用主義社会】岡田斗司夫さんの評価経済社会に近いですね。どちらがどうというのはわかりません。もしかしたら僕の頭もなかでごちゃまぜになってるだけかもしれません。気になる方は本書を読んでみてくださいね。そして教えてください(笑)

ピカソの話に戻りますが
「40年と30秒」「ピカソとサインの入った小切手」の価値というのは要はストーリーですよね。「エリック・クラプトンの使っていたギター(ブラッキー)が95万9500ドル(1億520万円)」で落札という話を数年前ニュースで見ましたが同じですよね。

書籍でも「どんな本か?」というより「誰の本か?」ということのほうがマーケティング的には重要ですからね。セルフ・ブランディングというやつですか?
(あまり意味わかっていませんが 笑)自分も何か本出したいなあなんて思っちゃてるんですが文章修行するよりも、筏でも作って太平洋横断でもしますかねえ(笑)そうしたら出版社が寄ってきますかねえ(笑)

2015/08/24