天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

自己啓発オタクの若者が生産性向上のためにあらゆる方法を実地検証した結果たどり着いた答えとは?

 【世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと (T's BUSINESS DESIGN)Kindle版クリス・ベイリー
www.amazon.co.jp/dp/B076BDV1XP

読み物としてなかなか面白い一冊。よくあるような、こんなふうに行動しているから、わたしは生産性が上がって偉くなったんです!という上から目線ではなく、いわゆる自己啓発オタク的な若者が、生産性向上のために、これをやるべき、または、やらないほうがいいと言われていることを、実際に試してみて検証する、という内容です。だからリアリティがあるんですね。そんなところが面白い。例えば彼が実際に検証したものを挙げてみると・・・


* 6日間で35時間瞑想する
* 週に90時間労働する
* 毎朝5時半に起床する
* TEDトークスを1週間に70時間見る
* 完全にひとりきりで生活する
* 1ヶ月、飲み物は水だけにする
* ソイレント(必要な栄養分すべてを含んだ代用食品)だけを食べて生活する
* 週に3回しかシャワーを浴びずに、パジャマのままで、生産性についての研究だけを続ける。
* オンラインアシスタントを雇う・・・などなど。
このリストをみるだけで、著者が極端な性格であることがわかりますね(笑)
でも、そうした身体を張った実験をする人がいることで、人類が進化してきたのは間違いない。

で、彼の検証結果から、自分的に使えそうなものを挙げてみると
* 3の法則という考えかた
* とてもシンプルな目標設定方法で、毎朝、今日はこの3つだけは達成するぞ、とすること。
* そして、週のはじめにはより大きな3つの目標を掲げる
* というもの。
* 動物の赤ちゃんの写真を見る
* 自分の活力レベルを意識する
* どの時間帯がいちばん活力があるか?
* 大事なタスクは活力レベルの高い時間に割り振る
* ネットの接続時間をとにかく減らす
* 雑事を手中的に片付ける日を設定する
* 生産性の管理のために必要以上の時間を使わない
* 水をたくさん飲む
* 午後からはカフェインを摂取しない
といったあたりでしょうか。

で、著者は大学卒業後、内定していた一流企業のオファーを蹴って、一年間この研究に没頭するわけですが、本書のラストで、なぜ生産性が必要なのか?そして生産性を上げるということは何のためか、という疑問に対する、彼なりの答えが書かれていて、少しホロリとします。彼の身体を張った実験に敬意を表して、皆様にオススメしたい一冊です。
2017/11/10