天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

スナフキンが日本人に愛された理由を考察する内田理論が面白すぎる

 

街場のマンガ論 (小学館文庫)

街場のマンガ論 (小学館文庫)

 

 内田先生がマンガに関連した過去の文章をまとめた一冊。結構古いものが多くて、内田先生にしてはキレがいまいち。だけどいくつか面白い話がありました。そのうちのひとつを紹介いたします。

 大滝理論(ミュージシャンの故大瀧詠一氏)というのがあるそうです。日本人は日本語に変換可能な音韻で構成されている外国語に親しみを感じる傾向がある、ということです。ポール・アンカがなぜ日本であれほど受けたかについて、大瀧詠一氏はかって「あんか」に対する日本人の伝統的な親和が関与していたという説(理論?)を語っていたそうです。

その説に乗っかって、内田先生はスナフキンの例をあげます。スナフキンって原著では全然違う発音の名前なのだそうです。ちなみに僕がググってみた。

日本語:スナフキン
英語:Snufkin(スナフキン
フィンランド語:Nuuskamuikkunen(ヌースカムイックネン)
スウェーデン語:Snusmumriken(スヌスムムリク、スヌスムムリケン)

もしも日本語に訳した方が、『スヌスムムリク』と訳していたらあの風来坊野郎はこれほど日本人に愛されていたでしょうか(笑)厳しそうな気がします(笑)

なぜならスナフキンとは『砂布巾』というとても日本人に親しみやすいネーミングだからこそ親しみが持てたのではないか?という事です。砂布巾???ってなんだ?という疑問はありますがなんとなくジプシー的なイメージにもピッタリきますね(笑)

それから「N音のチカラ」ですね。「ん」で締まる名詞に、人間はついつい惹きつけられるという話です。上のスナフキンもそうですし、マンガのキャラクター名はほとんど「ん」が使われている。

ドラえもんアンパンマンサザエさんポケモンウルトラマンキン肉マンなどなどなど・・・・・・・・・。言われてみれば、なんか親しみを感じるような気がしますね。
そんな感じで改めて世の中の「名詞」を眺めてみるとちょっと面白いかもしれません。


2016/06/25