天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

AIをモチーフにして作者が投げかけてくる生身の人間への問いかけが鋭すぎるマンガ

 

AIの遺電子 2 (少年チャンピオン・コミックス)

AIの遺電子 2 (少年チャンピオン・コミックス)

 

 収録作品の中で最も印象的だったエピソードのネタバレです!!

 中年も半ばを過ぎたパッとしないヒューマノイド(この作品世界の中ではヒューマノイドは人間と同じように暮らしている)が人生をやり直したいと考えます。彼はヒューマノイドの医者である主人公を訪ねる。ヒューマノイドですからAI部分のみを取り出して、子供の状態のロボットにAIを移植して人生(ヒューマノイド生?)をやり直すということも可能なんですね。

で、医師に言われたとおりにインプラントというプラグを体に差し込むと・・・。彼は頭の中は大人の状態のまま10歳になっています。知識や知恵はそのままで周りは10歳の子供として彼を扱ってくれるわけですからいろんな意味でやりたい放題です。

で、最初はけっこううまく周りとやっていくこともできるのですがだんだんと違和感を感じ始めるんですね、どうにも思ったように楽しくもないし、なにかおかしい。
そしてついに・・・・。

というところで彼は元のさえない中年ヒューマノイドとして目覚める。どうやら先程までの体験はヴァーチャル・リアリティだったようです。医師によれば、彼と同じように過去の戻りたいというクライアントにはまずこのVRを体験してもらいそのうえで本当に過去に戻りたいのかを判断してもうらそうです。

そこで、医師が彼に言う言葉がけっこう強烈なんですね。

「人生をやり直したいんじゃなくて、いつまでも子供でいたかったんじゃないのか?」

ぐぐぐぐ、強烈ですね。


2017/08/28