天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

小説の正しい読み方をマスターすると今より小説が面白く読めるようになるらしいです。

 

小説の読み方の教科書

小説の読み方の教科書

 

 もしドラの岩崎さんが書いた小説の読み方の本。岩崎さんによれば、小説は好き勝手に読めば良いわけではなく、正しい読む方法が存在する。そして正しく読めば他のどんなエンターテイメントもかなわない最高のものだという。どういうことかといいますと・・・。

 小説には余白がある。いくら丹念に描いても全ては書ききれない。その余白部分を読者それぞれが脳内で補完する。その点が読む際の快楽であり、一番の強みである。

史上最高の小説とはドンキホーテであり、その系譜にあたるハックルベリーフィンの冒険も最高の小説。

本書の後半では、実際にハックルベリーを読み解きながら、小説の正しい読み方を考えていく。いくつかの作法のようなものはあるが、独特なのは、話の先行きを予想するな、という事。そのページに書かれている出来事、心情をとにかく理解する事に努める事。

もうひとつは、リアルに描かれた二面性のあるトムソーヤ、ハックルベリー、ジムの事をそのまま受け入れるという事。これによって読者は現実社会においても、本当の意味で、周りの人間を理解し、受け入れられるようになる。それが読書から得られる最高の贈り物。というような事です。

図書館から借りて、期限ギリギリに、速読もどきで読んだので、全く正しい読書方では読んでいなかったかもしれません(笑)しかし予想以上に岩崎さんの理論は、筋が通っており楽しめました。今度は購入してじっくり読むかもしれません。