天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

小説家のモノへのこだわりかたが読んでて楽しいエッセイ集

 

オトコのトリセツ

オトコのトリセツ

 

 小説家の堂場舜一さんが雑誌ターザンに連載しているコラムをまとめた本です。バッグ、ファッション、スポーツウエア、時計、本などなどご本人がお気に入りの『モノ』に対する愛?をもとに少しストーリー仕立てに書いてあります。職業柄、観察眼が鋭いんでしょうね。それぞれの『モノ』に対する気付きも面白かったりしますよ。例えば・・・。

 
・高機能コンプレッションスーツ→あまりの疲労度の軽減にびっくり!これはほとんどドーピング(笑)ロボットスーツみたいなもの。

ラグビーへの愛→サッカーボールと違ってラグビーボールは変なカタチをしていて、
どこへ転がっていくかわからない。世の中にはラグビーよりサッカーの方が好きな人が多い。筆者はラグビーが好き。蹴ったときどこへ転がっていくかわからないから。これは人生に対する好みとも似ている。

タブレット全盛だが、今でも出かけるときにはバックの中に必ず文庫本を入れておく

タブレットだけで、何百冊ももちあるけるじゃないですか?」との若い友人の突っ込みに対して「出かける前に今日はどの一冊を持っていくか考えるのが面白いんじゃないいか?」と軽くいなす。お雨も紙の本で小説を読め!といって鞄の中の文庫本を渡す。
その男と別れ歩いていると何か物足りない、あー鞄に本が入っていないから落ち着かないんだ!という事で筆者は手近な本屋へ向かい文庫本を物色、鞄へ放り込む。

小説家だけあってやっぱり話の展開がなかなか読ませるんですね。だけどあえて淡泊というかサラリとした読み心地にしているのかも。外出先でもちょっとした待ち時間なんかに読むのには良さそう。それこそ文庫ではないですが、バックの中にしのばせておくのに最適な一冊ですね。

2016/05/26