子供の個性を見つけて伸ばせなんていうけど、あんなの嘘よ・・・と女子中学生に語らせるマンガ
女子中学生の藤田美雪は友達3人で投資クラブを作っている。美雪は以前から株式投資を行っているの二人に対してはアドバイスをする立場だ。最近株価の下落で損失を出したという二人にアドバイスをする。マンガなので当然だけど、中学生とは思えないほど卓越した内容なのでここでメモをしておきたい。
美雪はまず落ち込む二人を食事に誘いごちそうする。その誘い文句がまた凄い。「空腹で悪い話をすると体に悪い。イヤな時は食べる。これがウチの家訓なの」この太っ腹で賢い女の子、美雪は大財閥の令嬢でもある。
喫茶店で美雪は株式投資を始めた経緯をふたりに話し始める。将来家を出て自立するためには絶対にお金が必要なると思い9歳の時に初めて株を勝ったそうだ。始めるときに5歳年上の既に株の売買をしていた兄に相談した。
しかし兄はおまえなんかのできっこないとけんもほろろ。何も教えてくれなかったという。仕方なく諦めて部屋を出ようとしたところ、机の上にウォーレン・バフェットの本がたくさんあった事に気がついたという。
そこで美雪は気がつく。兄は結構儲けたと自慢気に言っているが、実はこの本に書いてあることを実践しただけじゃないのか?そう思った美雪はバフェットの本を読み、どんな株を保有しているのか?その辺りを調べあげバフェットの言う通りに売買を始めたという。
友達ふたりは自分の個性を捨ててまで、誰かの教えを忠実に守るなんてできそうにないと軽く反論する。それに対する美雪の答えは力強い。
「自分の考えなんていらない、子供の個性を見つけて伸ばせなんていうけど、あんなの嘘よ・・・。必要な事は型にはまること。成功はすべて型によってもたらされるのよ!型が定まっていれば成長は早い!成長すれば個性はあとからついてくる。その証拠に学問の世界にはこんな言葉がある。”巨人の肩に乗る”ニュートンもこう語っているわ”私がより遠くまで見渡せるとすればそれは巨人の方の上にのっているからです。”と。いくら天才といえど、いきないり革新的なアイデアなんて出せない。先行研究や先人の教えを土台と学んでから自分の個性を発揮することが成功の鍵になるの。私は投資で成功した。だから・・・・バフェットの肩に上に乗る!」
ははーーーーーーーって感じで頭が下がりますね。まあマンガの世界ですが、このセリフを女子中学生に語らせるあたりが三田さんのセンスの凄さかもしれない。で、ここまでで、この第7巻のひとつ目のエピソードの途中なんですよね。ページ数にしてまだ20ページいかないくらい。とんでもない見識と情報量を含んだマンガです。
2016/04/28