読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

酒の肴がビジネス書!(と小説と音楽と映画と経済ネタとたまにグチ)

晩酌をしながら読んだ本の中から、飲み屋でネタになりそうな話を紹介します。

【秋元康が「がん見」していたものとは?】

今回もこの本から印象に残った箇所を紹介します。

 

 

ご存知だと思いますが、この本の著者の岩崎さんは

秋元康さんのアシスタントを長年続けていました。

秋元さんっていうとぼくの世代ですと、

AKBっていうよりもおニャン子クラブです(笑)

 

夕方5時からの「夕焼けにゃんにゃん」

というテレビ番組のなかで

セーラーズというブランドのカジュアルな服を着た
女の子の集団がおニャン子クラブでした。

身近に感じるキャラクターが揃っていたような
気もするけど、やっぱりアイドルでしたよね。
そして彼女たちが着ていた

セーラーズというブランドの服なんかは
みんな買いたいと思ってしまいましたね。

f:id:lifeofdij:20160710134451j:plain

(ちなみに画像は秋元夫人の高井 麻巳子さん。)


ぼくみたいな田舎の中学生の男子(当時)でも
着てみたいと思ったものでした。

ある日、同級生の一人が東京に住む親戚の家に遊びにいった際
『原宿』へ立ち寄り『セーラーズ』のパーカーを買って来て
これみよがしに着ていたのは衝撃的でした。

心底羨ましかったものです。
たとえ彼のへアースタイルが中2にしても
大仏のごとくのパンチパーマだとしてもです。

f:id:lifeofdij:20160710134739j:plain



で、当時のことを思い返してみると
流行みたいなものってマスコミを通して
上から(都会)下へ(地方)
流れ落ちてくるというイメージだったんですね。

そして流行というのはいわゆる情報ですからね。
その情報の価値っていうのは、
どれほど「希少性」があるかないか?
ということになるんでしょうね。

この本で繰り返し言われていることは
情報が安く入手できるようになったということです。
例えばこんなエピソードが書いてありました。

あるアパレル会社の社長がパリへ市場調査へ行った。その時たまたま入ったブランド店でバーゲンセールをやっており、そこで秘書へのお土産にスカーフを購入した。
日本に帰ってきた社長は、そのお土産を秘書に渡した。この時「バーゲン」というと聞こえが悪いので「定価で買った」とウソをついた。
すると秘書は、そのお土産の入った箱を開けた瞬間、こう叫んだという。
「社長、つかまされましたね!」
「え?」と驚く社長に向かって、秘書はなおも言った。
「これ、半年前のデザインなんですよ。今なら半額くらいでバーゲンしているはずです。このブランドの最新のデザインは、こういうものなんですよ」
そう言って、彼女はパソコンのキーボードを叩いた、するとそこには、そのブランドの最新スカーフの画像が、鮮明な画像で表示されたのだという。  

今は会議とか会合などで忙しく動き回っている社長よりも、

パソコンの前に座っている秘書のほうが最新の情報を得やすくなったということですね。
更に、ファッションが大好きなファッションおたくなら、

アパレル企業の社員たちより、ずっと詳しい情報を持っていたりもするんですね。

今や情報というのは手に入れようと思えば、信じられないくらい
安価に手軽に入手できてしまいますからね。

情報化社会が進むと、情報の価格が下がった。

情報の価格が下がると、これまでのようなピラミッド型の組織を維持する事が難しくなった。なぜなら、これまでのように「情報を握る者」が組織のトップとは限らなくなったからだ。
それ以外の者たちも。当たり前のように情報を握るようになった。そのため、そこでは新たな現象が生まれ始めた。それは「情報の最前線」が変わるということだ。これまでのように、組織のトップが最前線ではなくなった。むしろ、下部の方が最前線になるという、逆流現象が生まれたのだ。

で、秋元さんの話に戻りますが、AKBって最初あまり人気がなくて大変な時期もあったらしいですね。

ところがその後、あれよあれよという間に、

日本国民、知らない者がいないグループになってしまった。

その大成功をプロデューサーした

秋元さんの思考の秘密のヒントが書いてありました。

ぼくが秋元さんのアシスタントをしていた頃、秋元さんは、時間を見つけてはよくAKB劇場に通っていた。現場を見るためだ。
といっても、彼が見ていたのは舞台上ではなかった。

そうではなく、客席のファンたちをじっと見ていたのだ

ファンがどういう反応をしているのか、

舞台袖に立ってジッと観察していた。

時には、ファンに直接声をかけ、彼らの声にも耳を傾けた。
そんなふうに、秋元さんは現場に入り、そこで最先端の情報を得ていたのである。

その情報を活かしたからこそ、AKB48は次々と新しいアイデアを生み出す事ができたし、またそれが大きなヒットにもつながった。
このように、現場に回帰して最先端の情報に触れる事は、新しい分野を生み出すことの大きなきっかけとなるのだ。

 

普通のプロデューサーだったら、
舞台上でいかに自分の理想通りに動いてくれているのか?
そこに注目しますよね。
自分が最高の情報を握っていると
思っている場合はそうなりますね。

ところが秋元さんは謙虚だったんでしょうね。
答えは自分よりもファンが知っている
思ったのでしょう。

だからステージではなくて顧客を『がん見』していたんですね。
本当の顧客を真っ正面から見ようとしていた。

そこいらあたりが、本書の副題である
椅子取りゲーム社会で生き残る方法の
答えということになるのかもしれませんね。