天然誤読生活

誤読とそら耳を恐れない書評と音楽レビューとトンデモ理論を書き散らすハートに火をつけて(くれるかもしれない)ブログです。

文学

小説の正しい読み方をマスターすると今より小説が面白く読めるようになるらしいです。

小説の読み方の教科書 作者: 岩崎夏海 出版社/メーカー: 潮出版社 発売日: 2011/10/05 メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 132回 この商品を含むブログ (29件) を見る もしドラの岩崎さんが書いた小説の読み方の本。岩崎さんによれば、小説は好き勝…

憧れとの理想的な決着のつけかたを見せてくれた対談集

みみずくは黄昏に飛びたつ 作者: 川上未映子,村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/04/27 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (22件) を見る 誰でも10代の頃に憧れたヒーローとかヒロインっていますよね。で、もしも大人にな…

旅に持っていく本を選ぶ時の楽しさを思い出させてくれる小説

八月の六日間 (角川文庫) 作者: 北村薫 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2016/06/18 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (8件) を見る 私はミニマリストに憧れながらもやっぱり物は好きである。で、下世話なのか雑誌なんかで他人のカバンの中…

”もののあはれ”という概念とSFを結合するとどんな物語が生まれるのか?

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ) 作者: ケンリュウ 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2015/05/29 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (9件) を見る 「もののあはれ」という極めて日本的な概念がありますが、これを違う国の人に、または同じ…

ぬいぐるみとかおもちゃは子どもたちに何を与えてくれるのか?という話。

チヨ子 (光文社文庫) 作者: 宮部みゆき 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2011/07/12 メディア: 文庫 購入: 1人 クリック: 15回 この商品を含むブログ (56件) を見る この本は短編集なんですがタイトル作の「チヨ子」という作品はぬいぐるみがモチーフの不思…

良い大衆小説を読むと毎日の楽しさを受信する感度が高くなるという話

月の満ち欠け 第157回直木賞受賞 作者: 佐藤正午 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/04/06 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (25件) を見る 生まれ変わり。輪廻転生ともいいますが、どうでしょう?もしもあなたのところに知らない誰かが訪ねてき…

記憶を保ったまま服を着替えるように身体を乗り換えれば人は不死になるのか?という話。

カノン (河出文庫) 作者: 中原清一郎 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2016/12/03 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 人とは何か?記憶こそがその人だ、という考え方がある。とすると記憶だけを保存して、服を着替えるように身体とい…

愛されることと理解されることの二者択一だったらどっちを選ぶか?を考えさせられる1984という小説

一九八四年[新訳版] (ハヤカワepi文庫) 作者: ジョージ・オーウェル,高橋和久 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2009/07/18 メディア: ペーパーバック 購入: 38人 クリック: 329回 この商品を含むブログ (349件) を見る 昨年にトランプが大統領に就任した…

人はなぜ小説を読むのか?という話

蜜柑・尾生の信 他十八篇 (岩波文庫) 作者: 芥川竜之介 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2017/05/17 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (2件) を見る 今まで一体何冊の小説を読んできたんだろう?と考えることがあります。たぶんリアルに知り合った人…

ハルキストではない私が大好きな村上春樹をアンチ村上春樹な人たちにすすめるとしたら。

東京奇譚集 (新潮文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2007/11/28 メディア: 文庫 購入: 6人 クリック: 84回 この商品を含むブログ (315件) を見る 私は村上春樹をかなり読みますが「ハルキスト」というくくりは好きではないです。なんで…

世に無駄はない。世を無駄にするものがいるだけだ

文庫版 書楼弔堂 破暁 (集英社文庫) 作者: 京極夏彦 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 2016/12/16 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件) を見る 人はなぜ本を読むのか?その考え方は人それぞれかと思いますが、今回ご紹介する本の中で提示されている考…

忘れられる権利を主張しなければいけない時代に人はどう生きるか?

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫) 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2017/10/14 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (10件) を見る 皆さんはラブレターを書いたことがありますか? 交換日記なんてものも…

カズオ・イシグロが後からジワジワくる理由

今回、カズオ・イシグロ氏がノーベル文学賞を受賞した記念に長らく積読だったこの作品を読んでみた。イシグロ氏の作品を読んだのはこれで4冊目ということになる。どの作品を読んでみても感じるのは「読み終わった後にジワジワくる」ということだ。この「わた…